いま、綴りたい言葉がある

本の感想や舞台、漫画について、気のおもむくままに。

漫画

やぶうち優 著『少女少年VII -CHIAKI-』

投稿日:2019-06-16 更新日:

小学館の学年誌に掲載された『少女少年』シリーズの第7作です。学年誌での『少女少年』最後の作品です。

目次

  1. あらすじ
  2. 登場人物
  3. 万丈千明の芸能活動
  4. 結末:芸能活動を続けていくのか?
  5. 小ネタ(他作品との関連)
 

1.あらすじ

かわいらしい声がコンプレックスの小学5年生・十河太一。所属する演劇クラブの公演でヒロインを演じたことがきっかけで、芸能プロダクションの村崎にスカウトされます。村崎が勧めたのは声優、それも太一の声を生かして女の子として活動することでした。
幼い頃に観たミュージカルに出ていた憧れの女の子に会えるかも、と「万丈千明」として活動することを決めた太一。声優の仕事をする中で憧れの子の手がかりを得ますが、彼女は訳ありで…

2.登場人物

登場人物の名前には数の単位しばりがあります。

クレジット表記の「キャスト」欄に載っている人物

名前紹介数の単位
十河 太一(とがわ たいち)
=万丈 千明(ばんじょう ちあき)
主人公。小学5年生。男であることを隠し、女の子の「万丈千明」として芸能界デビューする。十、一、万、千
京極 瞬(きょうごく しゅん)太一のクラスメイトで親友。演劇クラブに所属。ある番組のオーディションに合格し子役としても活動する。京、極、瞬息
阿僧 百花(あそう ももか)太一のクラスメイト。太一の憧れの女の子によく似ている。阿僧祇、百
毛利 零那(もうり れいな)太一の憧れの女の子と見られる。毛、零、那由他/刹那
恒河 りん(?? りん)太一のクラスメイトで百花の友人。恒河沙、厘
村崎 ツトム(むらさき つとむ)『少女少年』から継続して登場(クレジットでは「友情出演」となっている)。
本作では女装した少年であることを知った上で太一をスカウトしている。

その他の登場人物

名前紹介数の単位
国分(こくぶん)、中溝(なかみぞ)太一のクラスメイト。分、溝
BAKU(ばく)千明とラジオ番組で共演。

登場人物以外の数の単位しばり

名前紹介数の単位
モコ(もこ)ミュージカル『点と線との阿弥陀くじ』で太一と同年代の子が演じていた役。模糊
千明の不可思議アイランド
(ちあきのふかしぎあいらんど)
千明のラジオ番組。不可思議
六徳公園(りっとくこうえん)近所の公園。六徳
あい(あい)ミュージカル『千載一遇物語』で千明が演じる役。

それぞれの大きさは以下の通りです。下は10のマイナス19乗から、上は10の64乗まで、というとかなりスケールの大きい話になりますね。

整数の単位

  • 京(けい、きょう)=10の16乗
  • 溝(こう)=10の32乗
  • 極(ごく)=10の48乗
  • 恒河沙(ごうがしゃ)=10の52乗
  • 阿僧祇(あそうぎ)=10の56乗
  • 那由他(なゆた)=10の60乗
  • 不可思議(ふかしぎ)=10の64乗

小数点以下の単位

  • 分(ぶ)=10のマイナス1乗(10分の1)
  • 厘(りん)=10のマイナス2乗(100分の1)
  • 毛(もう)=10のマイナス3乗(1000分の1)
  • 挨(あい)=10のマイナス10乗(100億分の1)
  • 漠(ばく)=10のマイナス12乗(1兆分の1)
  • 模糊(もこ)=10のマイナス13乗(10兆分の1)
  • 瞬息(しゅんそく)=10のマイナス16乗(1京分の1)
  • 刹那(せつな)=10のマイナス18乗(100京分の1)
  • 六徳(りっとく)=10のマイナス19乗(1000京分の1)

3.万丈千明の芸能活動

かわいらしい声を生かして声優として活動します。

アニメのアフレコ

千明の初めての仕事で、その後も何作も出演しているようです。

洋画の吹き替え

『スパイスキッズ』という映画に出演します。千明は主役の兄妹の妹役、瞬が兄役に選ばれ、ふたりが共演することになります。

ラジオ

『千明の不可思議アイランド』というラジオ番組でパーソナリティを務めます。第1回は遊園地での公開録音で、浴衣姿で登場しました。
この番組には毎回たくさんのはがきが来ているようで、特に「お悩み相談室」のコーナーが人気だそうです。

写真集

『千の夜万の星』というタイトルの写真集を発売します。

ミュージカル

ミュージカル『千載一遇物語』に主役と見られる「あい」役で出演します。半年に渡るロングラン公演で、あい役はダブルキャストとなっています。

4.結末:芸能活動を続けていくのか?

» 以下ネタバレあり

千明=太一が小学6年生の冬。零那とのダブルキャストとなったミュージカル『千載一遇物語』の千秋楽の頃、太一は声変わりを迎えようとしていました。
自分の声が嫌いだと言う零那に「オレ、零那の声、好きだよ」と答える千明。『千載一遇物語』を最後に芸能界から引退していきました。
それから数ヵ月。中学生になった太一は瞬、百花と共に演劇部に入ることにしました。そして太一の前に現れた零那が「千明ちゃん」と呼び掛けて…

万丈千明としては引退した太一ですが、演劇は続けていくので、いつの日か十河太一として表舞台に出るようになるかも知れませんね。

» ネタバレを閉じる

5.小ネタ(他作品との関連)

ところどころに他の巻とのつながりが見られます。

  • 千明が着ている服に「GIRL BOY」(=少女少年)
  • ラジオの公開録音でお悩み相談をしているのが『少女少年IV』の白原允、着ている服には「04」(『少女少年』シリーズの4作目)
  • 写真集のカメラマンが『少女少年VI』に登場する篠原

その他、やぶうちさんの作品とのつながりではありませんが…

  • 太一が自分のことをアニメの声優みたいな声というコマに描かれているのが『とっとこハム太郎』

★『少女少年』シリーズに関する記事はこちら→やぶうち優 著『少女少年』シリーズの紹介と関連記事の一覧

『少女少年VII -CHIAKI-』の電子版はまんが王国でも購入可能です(基本的には1円=1ポイント。ポイント還元もあるのでたくさん読むほどお得になります)
*2023年3月時点の情報です。最新の情報はまんが王国のサイトでご確認ください。

-漫画

Copyright© いま、綴りたい言葉がある , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.